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先月から岩手県、陸前高田市広田町に住民票を移し、

生活している美帆さん。

「今を生きる、素直に向き合って生きる」ことを

大切にしている広田の人と、変わりなく、

すでにこの町の人のような感覚を覚えたのが

印象的でした。

明確な目標がないと、いけないの?

目標に沿って日々頑張ることが大切なの?

と疑問を頂いている方必見!

  No.21 東北を元気に!

 

[[煙山美帆さん]]

 

[[煙山美帆さん]]

 

Q. 広田町に来ようと決めたきっかけは何ですか?

A. 田舎独特の人と、自然の魅力にほれたこと

自然豊かで、独特なときの流れがあるということはとても魅力的です。

でも、それよりも人の魅力の方がやっぱり大きいです。

子ども大人も誰もが、人の目を見て、挨拶をしてくれたり、

いってらっしゃい、とかおはようとか、

何気ない会話がいつもあること。

 

それが決して無機質なものではなく、

人と人との会話という感じ。

こちらの言葉でお茶をすることを「お茶っこする」というのですが、

「ちょっとお茶っこしていけ〜」ってよく言ってくれます。

道端で会うと、会釈する文化がありますし、

家族をお互いに知り尽くしているからこそ、

まち全体が大きな家族のような感じです。

Qコミュニティに対して入りにくさを感じたことはありますか.

A. 移住してからは今のところはないですね。でも最初はありました。

小さな村や、まちは、

大きな家族のような強い繋がりや、絆がある分、

外部の私には、入りにくさのようなものがありました。

 

でも、住む前に、一年間通い続けていたということがあったので、

「初めまして」ではなかったこともあり、少しずつそのような環境で、

信頼のようなものが出来ていきました。

 

誰かを紹介してくださったり、いろんなことを教えてくれて。

全く知らない一つのコミュニティに一から入って行くという感じではないので、

そこは、全く新しい環境に身を移すということに対して抵抗はなかったですね。

 

でも、移住前は震災後一ヶ月からずっとこの町に関わって、

足を運ぶ中で、どうしても、「私たちは、外の人間」という想いが

拭いきれないところはありました。

そういう意味では、少し、気を使ってしまう部分もあったことは正直なところだし、

「外の人間としてどう支援できるか」ということを考えていました。

 

そう思っている矢先、広田の人に、

「お前らは、外の人間なんだから」

「俺たちのことはわかるわけない」というような言葉をもらうことがありました。

 

でも、ここでショックを受けると思いきや、

逆に吹っ切れたんです。

 

そっか、私は外部の人間なんだ。

私が東京で生まれて、育った過去は変わらない。

でも、広田が好き。この町の人が好き。

だからこの町に住んで、ずっと関わっていきたい と、

素直になってもいいのでは、と思ったんです。

 

それからは、もっとコミュニティと距離が近くなった気がします。

Q. 一番伝えたいもの

A.自分自身の東京では伝えられなかった日々の充実感、この町の良さ

地元の人からはなかなか出てこないと思うんです。

 

なぜなら、彼らにとってはあまりにも日常にありふれているので、

当たり前すぎて、これを人に伝えたいという感覚はないのかなと思いますね。

 

被災地にも、被災地というフィルターを外した時、

伝えられるものはたくさんあるということを伝えて行きたい。

 

例えば、豊かな自然や、日本の伝統的なもの、

おばあちゃん達の知恵など。自分で食べるものを作ってそれを食べるという

自給自足を習慣としているから、

互いに困ったときは支え合うというコミュニティの絆もあるのかもしれないですね。

 

生活していると、朝とれた魚を、

食べきれないほど持ってきてくれたり、

畑でとれた野菜もお裾分けでもらったりということが頻繁にあります。

 

自分の損得のようなものは関係なく、

何でもみんなで分ける、というお裾分けの文化が今でも残ってるんです。

今でこそ、「被災地」と呼ばれる場所となった広田ですが、

こういう、昔ながらの良さがたくさんあるんです。

 

こういう良さこそ、私は伝えていきたいです。

Q.もっとこの町にコミットしたいと思った原動力は何ですか

A. ある漁師の方から聞いた「50年後にこの町はなくなってしまうかも」という言葉

この言葉は、60代の男性で漁師であり、

一番下で4歳くらいの孫がいらっしゃる方からお聞きしました。

 

自分の近くで子どもがいる、

自分もこの町で生まれ育ったという環境があるから、

この言葉に想いが込められているし、伝わったんだと思いますね。

 

この言葉を聞いて、こんなに温かくて素敵な町だから50年後に

なくなってほしくないどうにかして何か力になれないかなと

思ったことが原動力になっています。

 

今は震災、津波で何もなくなってしまったけれど、

本当はもっと見せたかったきれいな景色があったんだよ〜っと

ふいに日常のなかで聞く言葉言葉が印象的です。

 

自然に移り変わる木々の色など、

今でも残されている自然は日々感動を与えてくれるけれど、

本当はもっときれいだった、広田のよさはもっと違った、

他にもたくさんあったということを聞きます。

Q.これからはどうして行こうと考えていますか

A. 実はまだ、わからないんです

広田が好きで、このまちに惚れて。

 

だからこの町のために何かしたいって純粋に思って移住したんです。

だから、これと言って、明確な目標や、

何がしたい!という野望のようなものはないんです。

 

でも、これは広田の人も同じような気がします。

もちろん、この町を良くして行きたい、

残して行きたいと思っているんです。

 

でも、そのために何をするということを明確に決めて、

そのために何時までに何をやならければ!というような発想はないので、

何事も、自然の流れに逆らわず、

一歩一歩という文化があるんです。

それと少しだけ似ているかもしれないですね。

 

私は、そのサポートが出来たら良いのかなと思います。

今実際に動き出そうとしている形が一つあって、、

それはチームとして、こちらで頑張っていこうとしていますは。

 

仲間と一緒に、現地視察のプログラムや、

現地のお母さん向けのパソコン教室や、

漁業の今までは商品にならなかった魚を加工して

広田の特産品としていこうという活動の、

仕組みづくりをして、実際に運営してい行こうとしているところです。

 

その中で私はやはり継続し、

さらに事業を大きくするには資金が必要なので、

助成金の申請を担当しています。

Q.広田に来て 改めて感じたことはありますか

A. 東京では素直になれなかったけれど、ここでは素直になれる

それは広田の人が、まさに素直に、

人間らしく生きていると感じるから。

そういう姿を日々見ていることが大きいです。

 

ありがとうという言葉をきちんと目を見ていうし、

だからこそ、そこに愛情が生まれたり。

好き、嫌いをはっきりいうし、きちんとしかってくれる。

そういう人が多いです。

 

東京でも、たくさんの人にお世話になっていたし、

尊敬できる人はたくさんいました。

でも、この人みたいになりたいという想いとは違いました。

広田にきて、広田のお母さんたちの生き方を見た時、

やっぱり私はこういう生き方がしたい、

こういう人になりたいと純粋に思ったんです。

 

広田のお母さん達は、いつも明るいし、良い意味で、

プラス思考、楽観的な人が多いです。

何でも笑いに換えてしまう。

そういう姿を見ていて、ここには、大切にしたいキーワード、モットーがあって、

自分もここにいることで、変わっていける、

理想の姿に繋げていけると感じています。

●読者の方にメッセージをお願いします。

「素直。謙虚。愛。感謝。」

【関連サイト】

「復興支援団体SET公式HP」http://set-forjapan.jimdo.com/

ブログ:「Dear…」http://ameblo.jp/miichannel16/

Twitter:https://twitter.com/miichannel16

Facebook:http://www.facebook.com/kemuyama.miho

 

 

【インタビュー後記】

私たちがいつもインタビューする方は、

明確な目標を持って、今を頑張る人が多いんです。

それはとても素敵な生き方。

もっと発信したいって思います。

でも、明確な目標に沿って、今するべきことは何か、

という考えだけではないな、と美帆さんのお話を聞きながら強く感じていました。

「今出来ることを、一歩ずつ、今出来ることは今しかできないことかもしれない」

その時そのときと、本当に素直に向き合っている、

そんな美帆さんの生き方に惚れ込んでしまいました。

震災が起きてから「日常のあたり前は、

実はとってもありがたいことなのだ」と実感していても、

日々の生活になかなか移せていないかなと、

同時に感じていました。

だからこそ、今を大切にしている美帆さんは素敵でした。

みなさんも、一人一人、美帆さんの生き方から何か感じとってもらえると嬉しいです。

美帆さん、ありがとうございました!

 

新井みなみ

@女の子の生き方を考えるサイト

*Power of Woman

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