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「難民」この言葉を聞いて、どんなイメージを抱きますか?

 

貧困テント暮らしアフリカ中東 etc...

イメージした中に「日本」というワードが思い浮かんだ方は

いらっしゃいますでしょうか?

岩瀬さんが代表取締役を務める株式会社アルーシャは、

日本に住む難民をネイルアーティストとして雇用している

ネイルサロンが主な事業。

 

日本に住む者として、無知でいたことを恥ずかしく思った

今回のインタビュー。

岩瀬さんの深く熱い想いを感じて頂ければと思います!!

  No.5

 

 日本に住む難民へ愛を込めて

 

[[岩瀬香奈子さん]]

株式会社アルーシャ代表取締役

[[岩瀬 香奈子さん]]

 

Q.アルーシャを設立しようと思ったきっかけは?

A.人との出会いの中で少しずつ。

Q.思ってすぐ行動に移せる秘訣は?

A.勇気もプレッシャーも感じなくていい!

Q.難民の日本の現状を教えてください!

A.難民を受け入れる協定を結んでおきながら、差別が顕在しています。

難民の定義っていうのが実はあるんです。簡単に言うと、

「政治的、宗教的、文化的な理由で、祖国から迫害を受ける可能性のあって他国に移住した人々」

NPO難民支援協会のHPに分かり易く掲載されています。⇒http://www.refugee.or.jp/refugee/treaty.shtml

 

国連が国際的な難民協定を結んでいて、日本はそれに1981年から参加しています。

 

だから日本に難民が来たら、助けなければならないんです。

しかし日本の難民認定者は、累計500名ほどと少ない。

1980年代から難民の受け入れは始まっているのに、

日本は毎年30名ぐらいしか認定を出していないことになります。

 

一方アメリカは、1年間で500名に届きます。

日本では申請から認定まで平均2年、長い人は10年以上かかっています。

難民に認定されると、強制送還されることがなかったりと“保護”もありますが、

日本人と同じ扱いとなってサポートがほとんどないんです。

 

そもそも難民になってしまう方々は、

自国政府が喜ばないことを言ってしまうような、

政府に刃向えるほどの優秀な人が国外に追放されて難民になっている場合が多い。

 

例えば、言論の自由のない国の独裁政府に対して、民主化を訴えるとか。。

 

どんなに優秀な人でも祖国では弁護士などで働いていた人でも

特別活動として許可されないと働くこともできないのが事実。

 

日本での生活はきついみたいです。い

ろんなものが高いし、外国人労働者は足元見られて時給を安くされたり、

性格的に問題がない良い人達なのに職場でいじめられたりする人もいる。

 

日本人には支払われているのにボーナスがもらえなかったり、

社内のお弁当代が日本人社員より2倍の値段だったり、細かいことでも差別されている。

「3ヶ月耐えられるかが勝負だ」って言っていました。

 

それが日本にいる難民の方の現状なんです。

Q.難民の方が自立するためには何が必要だと思いますか?

A.日本においては、「日本人の理解」です。

日本においては、「日本人の理解」が必要だと感じています。

やりたくない仕事を難民の方になすりつけているという現状があります。

「難民の方ならいい」というような意識が暗黙のうちに出来上がっている。

 

それは日本人の難民に対する意識の問題です。

あるテレビ番組に出てアルーシャの話を紹介して頂いた後、

視聴者の方から長文メールが届きました。

 

「活動は素晴らしいとは思うのですが、日本にも困っている人がいます。

まずそちらに手を差し伸べてくれませんか?」

この時点で、難民の方をファミリーだと思っていない。

外国人は後回しでいいみたいな。

 

メールをくださった方の事情、お気持ちも分かりましたが、

日本人を、難民=外国人より優先すべき・・・というのではなく、

共生を目指すような意識に変わるとイイですね。

 

よく考えればわかると思うんですけど、

例えばアメリカのリーマンショックで単に会社が1つ潰れただけなのに

世界中に大きな影響を及ぼしました。

 

つまりそれって、肌の色も国も関係なくなってきている。

アメリカが風邪ひいたって、ギリシャが風邪ひいたって、

日本は打撃を受けている。

着ているものも食べているものも日本だけじゃないことを

わかっているはずなんです。

 

「地球は1つ」だということをわかってほしいなって強く思います。

Q.設立してからの苦労と逆に喜びは何ですか?

A.カルチャーの違いは苦労しましたね。
 でも、成長を実感できると本当に嬉しいです。

カルチャーの違いは感じています。

時間通りに来なかったり、メールの内容が伝わっていなかったり、

今まで通りでは通用しないことが多くてそれには苦労していますね。

 

逆に喜びは、難民の皆さんが成長すること、

お客様が喜んでいるところが本当に嬉しいですね。

来て頂いているお客様のおかげです。

Q.今後のアルーシャの展望は?

A.ネイル以外に新しいこと始めます!

2011年来年からは、語学スクールを本格的に始めようと思っています。

ネイルだと女性が主な働き手ですが、

語学スクールだと男性も働くことができるので。

活動の幅を広げていきたいですね。

●読者の方にメッセージをお願いします。

「心の声に耳を傾けてみて!!」
心の声に耳を傾けてほしい。直感を信じて、自分の信念に従って。。。
大丈夫、きっと、大丈夫!

【関連サイト】

・特定非営利活動法人「難民支援協会」ホームページhttp://www.refugee.or.jp/refugee/treaty.shtml

・株式会社アルーシャホームページ

http://www.arusha.co.jp/

 

【Special Thanks】

カメラマン Tommy

http://curiosity.makusta.jp/

 

【インタビュー後記】

様々な場面で持ち前の行動力を発揮してきた岩瀬さん。

 

「やらなきゃわからない」の言葉は、

尻込みしやすい私の心に深く突き刺さりました。

難民って、中東とか東南アジアとかアフリカとか

どこか別の国の遠い話のよう。

 

でも岩瀬さんのお話を聞いて、ぐっと「難民」の言葉が近づいてきた。

なぜ日本に住んでいるのにこんなにも知らなかったのだろう?

無知の怖さを知りました。

 

今日この記事を読んで、「難民」を知ってくださった方。

ぜひ身近な友達、家族、後輩、先輩、恋人に話をしてみてください。

 

1人1人の「伝える力」が日本に潜在する様々な問題を

解決に導くパワーになると信じています。

 

岩瀬さん、ありがとうございました!!

インタビュアー:もりぽ(森裕美)

2008年の末に、タンザニアでマイクロファイナンスを立ち上げた方

慶應義塾大学の岩男壽美子先生 にお会いする機会を頂いたんです。

 

その方は国家公安委員などずっと国という大きな組織で活動してきましたが、

これからは自分でやる!ということでたまたま私に声がかかって、

「こういうの興味あったよね?」ということでミーティングに顔を出したんです。

「ぜひ関わりたいです!」と言って、12月にタンザニア行く?という話になったのですが、働いていたのでその時は行けませんでした。

 

でも、そういうことやりたいなって、

サラリーマンは潮時だなってその時思いましたね。

※ちなみに社名の「アルーシャ」は、タンザニアでマイクロファイナンスを行っている都市の名前です。

 

先生を紹介して頂いたのは、

昔ベンチャーの立ち上げを手伝ったときのそこの会社の社長でした。

 

外部に出せる仕事があるから、

だったら会社立ち上げたら?という話が盛り上がったんです。

 

フェアトレードからスタートしようかな?なんて思っていて、

最初から難民支援を始めたわけではなかったですね。

 

ビーズアクセサリーの作り方を難民に教え支援している

NPO REN の石谷さんとお会いした2009年11月、日本の難民の存在を知りました。

 

手に職を持たせるのはいいとは思いましたが、ビーズアクセサリーはなかなか売れない。

話をしている中で、「ネイルはいいんじゃない?」ということで

ネイルでの自立支援を始めようとしました。

新しいことをするときは

勇気がいるって思っていたり、絶対成功させなきゃいけないと思っている方が

多いと思うのですが、実際やってみないとわからないことだらけです。

 

飛び込むことに尻込みはせず、とにかくやってみよう!

そんな気持ちでいいんだと思います。

Q.設立する前はどんなことをされていたんですか?

A.ボランティアをしたこともあったけど、
 新卒はバリバリ営業をやっていました。

大学1年のときに阪神淡路大震災が発生したときに、

ボランティアに行ったことがありました。

大学1年の夏に入院することになって、そのときに

「命って…」ということを考えるようになったんです。

 

それから「ボランティアに行かなきゃ!」といった思いでいろいろなものに参加しました。

そこからボランティアライフがスタートしましたね。

 

就職先も社会貢献ができる企業がよくて、新卒でパソナ入社しました。

…というのも、震災で潰れそうになった店舗を支援したり、

障害者とテニスをやっていたり、社会貢献の会社だと思っていたんです。

 

しかし内定者研修のときに、人材派遣がメイン事業だと知って…。。

それでも、実際働きだしたらすごく楽しくて、2年半営業でバリバリ働いていました。

 

1日100件飛び込みをして来い!と言われたり、

新入社員のときに全国で契約件数2位になったことも。

 

そうなったら、いっきにボランティア思考からキャリアモードになりました。

当時は、IT・金融・英語の道を制覇しないと、生き残っていけないと思っていました。

 

そんな中、金融ソフトフェアを作って売っている外資系会社に

後輩が飛び込み営業をしに行ったんです。

 

後輩にその話を聞いたときに「あ!ここ私が行く会社じゃん!」と直感的に思いましたね。

社長にさっそくメールをしました。

 

「後輩がお世話になりました。ぜひ御社に入社したいです!」

入社することに決まってそちらで働き始めました。

 

しかしその会社の本社が9.11テロのときのあのビルにあって…

結局インドの会社に部門買収されてしまいました。

今までの上司は全員いなくなってしまったし、

「ここにいて私どうするんだろう」とさみしくなっていましたね。

 

そんなとき、以前からお世話になっていた方に

「来なよ~!」と声をかけて頂き、転職を決意。

ベンチャーの立ち上げ時だったので、週休1日で、夜中3時までだったり朝5時からだったり…

 

1年ちょっとだけだったけど大変でした。

立ち上げてから半年過ぎて、「そろそろ落ち着いてきたよね、この会社」と勝手に思って、

留学したいと言ったところ、快く社長は送り出してくれました。

 

そして、イギリスのビジネススクールへ1年ちょっとの留学。

 

帰ってきてから、約3年半外資系のサラリーマンになって、

そこから2009年3月に現在の株式会社アルーシャを立ち上げました。

Q.読者の方にメッセージをお願いします!

A.とにかく知ってほしい!

知ってほしいです。とにかく知ってほしい。

難民の方を、グローバルな視点でもっと大らかに見守ってほしいなって思います。

 

人口減少&高齢化の日本で、難民の方々の活力は、

将来日本で必要になるときが来ますよ!

もしかしたら、私たち世代の年金を支えてくれるかも(笑)。

 

他にも難民支援をやっている団体はあるので、

興味を持って頂けたらぜひ覗いてみてください!

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