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[[新田 理恵さん]]

食卓研究家

No.44  

 

〜慈しみの時間を*〜

 

[[新田 理恵さん]]

 

妥協せず楽しんで♪

会社に勤務された後、

現在は「食卓研究家」として働かれている新田さん。

 

なぜこのお仕事、働き方を選ばれたのかや

お仕事をされる上で大切にしていること、

生き方についてお聞きしました!

 

Q. 今されているお仕事について教えてください。

A. 今は、食卓研究家という肩書きで、食生活の提案をしています。

【Answer詳細】

“食卓”という言葉には、

料理そのものもとても大事なのだけれど、その周りにある器や道具、環境、文化、

誰と食べるかなどの関係性といった背景も大事だと思うので、

それらを含めて提案していきたいという思いを込めています。

 

具体的には、商品開発や料理のレシピ製作や撮影、ワークショップの開催などをしています。

Q. さまざまなお仕事をされていると思うのですが、

  現在は何をされているのですか?

A. お料理に関しては、いろいろな企業さんと組んだりしながら活動しています。

【Answer詳細】

例えばココナッツを扱っている会社さんだったら、

製品を使ったレシピがあるとユーザーを広げたり、色んな機会に使ってもらうのに効果的なので提案しますし、

カフェを展開するときにもメニューの監修をしています。

 

あとは、コミュニティデザイン系のみなさんや

市町村のお役所の方と地域活性化に関わることもありますね。

食べ物はすべてのひとが関わることなので、

クリエイターではない、おじいちゃんおばあちゃんであっても、

食のワークショップなら、すぐに自分事として積極的に参画できるんですよね。

 

東大のi.schoolから派生したi.clubの、高校生に地元の良さを

知ってもらうためのイノベーションを教える授業…つまり自分たちの町にどんな良いものと惜しいものがあって、

どうしたら活用できるだろう?ということを、地元の方にインタビューをしたり、

各分野のプロから習ったりして若者が地域の魅力を体感できる授業にも関わっています。

 

気仙沼では「なまり節ラー油」というアイデアが商品化され、

街の魅力を知って地元に就職した子も出てきて、少しずつしっかり街に根付いてきています。

 

Q. そういったお仕事は、どのようにしてはじまるのですか?

A. 基本的には、知り合いが紹介してくださることが多いですね。
面識のある方と仕事が始まることがほとんどです。
お互いに共感する部分があって
「この人となら、きっと良い仕事ができるだろう」と声をかけてくださるので、価値観や目指すところも自然と似ていますね。
そんなケースだと、すごく理解も早いし、円滑に良いものができます。

 

 

Q. 会社勤めではなく、

 “食卓研究家”として働くと決められたのはなぜですか?

A. はじめはフードコーディネーターの会社に入り、独立しました。

【Answer詳細】

大学生のときにフードコーディネーターの先生の授業がすごくおもしろくて、

その勢いで就職もレシピの製作ができる会社にしました。

 

料理研究家の奥さんと写真家の旦那さんが運営する5人くらいの小さな会社で、

写真スタジオで料理を作って撮影していました。

なので、料理も写真もプロからビシバシ習えるという、なんとも贅沢な経験。

根性と気配りも、そこで叩き込まれましたね。笑

 

その後、一通り仕事を覚えた時に師匠から

「新しい場にどんどん出会う事が、一カ所で積み上げるよりも大きく成長できる」と

アドバイスをもらったこともあり、一旦退職して、独立しました。

 

次の仕事までの準備期間として、1年間くらい写真の学校に通い、

薬膳の勉強をはじめ、いろいろな食文化も知るために日本各地や世界各国をまわりました。

その時に興味があった東洋医学をもっと知りたくて、

タイでマッサージの勉強もしましたよ。

マッサージは身体の構成や体内の巡りにも深く関わるので、

入門としておもしろいと思ったんです。

 

Q.新田さんが活動される上で、

誰に何を届けたいという考えなどはありますか?

A.まずは身近にいるひとたちに
「慈しみの時間」を届けられたらいいなと思っています。
もちろん、その周りにいるまだ会ったこともないようなひとたちも
大事にしたいのですが、きっとそれは身の周りにいるひとを大事にすることで伝わると思うので。

【Answer詳細】

冷え性とか寝不足とか、細かいことも含めると、

完全に健康体のひとって少ないと思うんです。

そういう小さな悩みの種を持つひとたちのために、

「慈しみの時間」を届けたいと思っています。

 

食べ物って自分の身体を作るので、食べ物を選ぶことは

自分の生き方や死に方を選べぶのに直結します。

生活を大事にすること丁寧にを広げていけたら、

自分たちの子どもの世代にもう少し良い状態で繋げるんじゃないかなと思っています。

 

Q. 学生の頃から、

 興味を持ったことに対して活動されていたのですか?

A. 学生のときは国家試験の受験資格のための必須科目や実験が多すぎたので、サークルやインターンには参加できませんでした。
 
ただ、1つの分野で閉じるというのは苦手だったので、
自分で興味がある他学科の授業を受けたり、色彩検定などの勉強をしました。
それがまわりまわってフードコーディネーターのお仕事のときに
生きてきましたね。
 
勉強は好きなので、気になることがあったら本を読む、
会いに行くなど、どんどん参加していました。
興味のあることはつながりますし、やって損なことは一つも無いと思います。

 

Q. 会社勤めではなくフリーで活動されていると、

今月は収入が少ない…など、困ることはないのですか?

A. そうですね。はじめのころは多かったです。
ただ、そういう時でも興味のあることに関わろうと行動していました。
そうすると、似た想いを持つ仲間に出会えるんですよ。

 

 

【Answer詳細】

最初のころは自分はどうしたらお仕事が取れるか分かりませんでした。

だんだん、「こういう職種のひとたちに必要とされる」ということが分かってきたんです。
大阪市政の中小企業活性化支援としてクリエイターを紹介•交流させてくれるMEBIC扇町にもとてもお世話になりました。

 

あとは、専門性があると仕事って頼まれやすいんですよ。

フードコーディネーターさんはたくさんいますが、

その中でも新田さんに頼みたいってなるのにはそれなりの理由があると決断が早い。

私だったら、ローカルとか、薬膳•薬草とか、写真も撮れるとか…モデル撮影だと女性だということだけでも選ばれます。

今回はテーマが東北だから、じゃあ新田さんに郷土料理を頼もう!といった

イメージの連結が必要なんですよね。
 

ハッシュタグみたいなものですね(笑)
わかりやすいキーワードを露出しておくと、見付けてもらいやすい。

 

Q.これからもフリーでお仕事をしていかれるのですか?

A.それがいいかなと思います。
女性だから、っていうのもあるんですけど、
これから出産を控えるとか、暮らしをもっと大事にしたいとか考えると、
自分のペースを守っていける働き方かなと思いますね。

 

【Answer詳細】

 

やっぱり、やりがいはあるし、お仕事はしたい。

でも、家庭を築くことは根本的に大切だったりして。

どちらも本気で、うまくそれぞれの息抜きにしながら取り組めたらいいなと思っています。

そしてフリーランスの特権は、自分次第で関われる人の幅が無制限に増えるということ。
会社に属すると取引先もある程度決まっているし、

部署によっては外部との接触もあまりできない人も出てくる。

 

新しいことに出会った時に自分も磨かれるので、

私はどんどん人に会いたいし、いろんな街に行きたい。
プロジェクトによってメンバー編成を変えながら、

だんだん大きな家族になっていくのが嬉しいです。
 

Q. 今後やっていきたいこと等あれば、教えてください!

A. 今、薬草茶のブランドづくりに挑戦しています。
いちょうの葉や蓮の葉など、日本古来の天然植物を
ローカルのみなさんと商品にして、都会に届けます。

 

【Answer詳細】

 

薬草の知恵は、戦前世代と戦後世代の間であまり伝承されていなくてもったいないんです。

薬草茶はとてもおいしいし、漢方薬の材料になったりするものもあるから、

「なんか今日はボーッとするな…よし、すっきりするお茶を飲もう」とか、

「ちょっと今日は冷えるから温かいお茶を飲もう」と、自分の体調に合わせて選べたら、お薬も少しでよくなる。

社会情勢を見ても、日本で国産化をするべき状態でもあります。

飲む人にも、作る人にも、医療費に圧迫されている社会にもやさしいお茶が作りたい。
 

自分の身体と向き合うことって、忙しいとなかなかできないと思うのですが、

お茶だったら料理ができないひとでも淹れられるし、

オフィスや学校でも飲める手軽さがいいですよね。

まずその入り口として薬草茶をはじめようと思っています。

 

Q. 小さい頃から食には興味を持たれていたのですか?

A. はい。実家がパン屋なのも大きな要因ですが、高校生の時にあったショックな事件がきっかけです。

【Answer詳細】

大阪の闇市から始まった魚市場、野菜市場があるようなコテコテのローカルな街で、

働いているひとたちを見ながら育っているので、

食に関わる肌感覚は人一倍強く感じていました。

 

パン屋だから、100円のパンを作るのにどれだけの労力を使って、

10円の儲けを出すのがどれだけ大変かも知っていたので、

食べ物のありがたみや大切さを感じる機会は多かったと思います。

 

そして、高校生のときにショックなことがありました。

親友が拒食と過食を繰り返していると、打ち明けてくれたんです。

私は食べ物が大好きだったのですが、それが凶器になる瞬間を見てしまって。

 

食べ物ってひとを良くすることも悪くすることもできるから、

ひとを幸せにするような食を作りたい。

 

そう思って、管理栄養士の資格の取れる学科に進みました。

これからもその思いだけは変わらないかなと思います。

 

 

Q.新田さんはものを大切にされているのだと感じます。

A.ものが生まれる過程、時間、関わる人が見えるからですね。

 

【Answer詳細】

あるひとがお箸のデザインをしているとき、

「そっか、お箸は使いやすくするためにこの形と大きさで、

こんな人がこの素材を使って、これだけの手間ひまをかけて作られているのか」と、

たくさんの想いにハッとさせられて。

やっぱり、ちゃんとしたものを使いたいなと思いますね。

 

今は、安くてそれなりの機能を果たすものが出回っているのですが、

そういうものを買うと、ちゃんと良いものを作っているひとたちの生計を苦しめてしまうので。

日本の素晴らしい文化と技術は応援したいんです。

そして云々考えるよりも、良いものは持った瞬間に身体が喜ぶし楽だから、自然と手放せなくなります。笑

自然と手放せなくなります。笑
 

・読者のみなさんへのメッセージや

大事にしていること、座右の銘など、ひとことお願いします!

「慈しみの時間を*」

「慈しみの時間を*」

【宣伝】

7/10 18:30~ 麹町さくら塾で夏の薬膳講座を行ないます!
http://www.jinzai-lab.com/05_seminar/s20140710.html

 

7/16 6:00~10:30 Morining Gloryvill in Tokyo
ロンドン発の早朝フェスが、ついに東京上陸!とことん健康的な薬草朝ご飯ブースをお出しします^^ 

朝食ブースは入場無料◎
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7/28まで!
薬草茶プロジェクトをより加速するため、READYFOR?にてご支援を募っています。
ご興味のある方は、是非ご一緒に!
https://readyfor.jp/projects/herbtea

 

 

 

 

【関連URL】

新田理恵さん

 HP:http://lyie.net

 Facebook:https://www.facebook.com/lyie.nitta?fref=ts

 Twitter:https://twitter.com/Lyie_n

 朝時間.jp:http://www.asajikan.jp/asabijin/lyie_nitta/

 薬草茶:https://readyfor.jp/projects/herbtea

 

 

 

 

 

【編集後記】

新田さんは自分にとって大切なものが分かっていて、

それを大事にされているのだと感じました。

また、学生の頃から自分の興味のあることに向き合い、

こなされて来たのだなと思いました。

 

おもしろいと思うことや興味のあることというのは

無理をしたり焦ったりして見つけるものではなくて自然と感じるもので、

それに沿って行動していると自分に合ったものがより明確になっていく。

だから、行動することは第一歩なのだと、改めて感じました。

私も気負わず、おもしろそうだな!と思ったことに取り組みたいなと思いました!(^^)

 

新田さん、本当にありがとうございました!!

インタビュアー:金子郁美

 

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