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六本木という大都会で生まれ育ち、

マスコミという華やかな業界に入社しながらも、

現在は壱岐という島の小さな旅館の女将として、

東京と壱岐を行き来する日々。

4人の子供を育てながら、夫を支えながら、

家庭を切り盛りしながら、ネットショップ運営と食品生産、

加工業、旅館の業務を担う、通称“デジタル女将”。

4人の出産、子育て、移住、事業の創出…

たくさんの経験の中から、

平山さんが実体験で得た学びや教訓が盛りだくさんの

今回のインタビュー☆それでは、スタートです!

  No.15

壱岐の島のパワフル若女将

 

[[平山佐知子さん]]

「平山旅館」若女将

[[平山佐知子さん]]

 

Q.デジタル女将と呼ばれていますが、その由来は何でしょうか?

A.長崎県の壱岐の島で、デジタルなことをやっている若女将です。

  

長崎県の壱岐の島というところにある「平山旅館」で、現在、若女将をやっています。

この平山旅館は旦那さんの実家。そこで、ネットショップの運営や、

ネットを通じての情報発信をしています。

デジタル女将」と呼ばれるようになったのは、

「デジタルな時代が来る」っていう旦那さんの単純なアイディア。

確かに、業態として、地方の旅館とネットショップって全く別物ですし、

噛み合ないイメージがあるので、このネーミングは「何それ」って興味を持って頂ける引き金になっていますね。

Q.ネットショップの立ち上げは、どのようにしておこなったのですか?

A.無知だったので、やりながら学んでいきました。

旅館とネットショップ。お金も人も商品の流れも、全

く違うものの組み合わせ。

何もわからないまま始めたので、やりながら学んでいきました。

サイトの立ち上げも、お金をまわすことも、委託することなく、

全て自分でやってきました。そうでないと、やっていけない状態でしたから。

Q.事業をゼロから立ち上げる経験を経て、どうでしたか?

A.自信になりましたが、自分の至らない点もたくさん発見しました。

今までバタバタと移住から事業の立ち上げまで進めてきました。

もうバタバタだったので、振り返って評価するような機会もなかったですね。

でも、デジタル女将について出版 した経験を経て初めて、

「すごいね!全部自分でやってきたんだね!」と言って頂き、

「あ、頑張ってきたんだな」ってそのときようやく自信になりましたね。

でも、「全部やってきたんだね」に重ねて言われたことが、

「人に感謝する心が足りないよね」ということ。

「全部自分で作り上げてきた」という経験とその行いが、

「勝手さ」や「感謝できない」というマイナスなことを生んでしまっていました。

社会に出てから30年間押し通してきた自分の「勝手さ」を自覚した瞬間でもありました。

Q.社会に出る手前である大学時代は、どのように過ごしていたんですか?

A.国際ワークキャンプを開催するNGO「NICE」に没頭していました。

大学時代は、国際ワークキャンプを開催するNGO「NICE」という団体で、

初期メンバーに近い状態で、関わっていました。

当時は、こんなに大きな組織になるとは思っていませんでしたが(笑)

最初は英語を勉強するために参加した活動でしたが、

NICEの代表の方の近くで活動し、海外で開催されるワークキャンプに参加する中で、

地域に根付いて活動するということに興味を持つようになりました。

なので、とにかく大学時代は、NICEに没頭していましたね。

リーダーも務めました。

当時、海外に行くというのは、華やかな旅。

例えば、卒業旅行でプラダのバーゲンに行くと言ったような、とっても華やかな海外渡航。NICEが行うようなワークキャンプというロハス的な海外渡航は、

主流ではありませんでしたね。そんな中、就職しないと!と思って、

就職・転職支援スクール「我究館」をたまたま見つけました。

しかし、当時の入会費は96,000円。

バイトもしていなかった私にとってこの金額は、つらい。

でも、入塾の面接を受けたその足で、おばあちゃん家に行き、

入りたい気持ちをプレゼン。なんとかおばあちゃんに応援してもらい、

「我究館」に入塾することができました。

目標としていてマスコミ業界にも、なんとか入ることができました。

「我究館」ではたくさんのワークシートを書き、何度も何時間も自分を見つめましたね。

そのときのワークシート、今も大切に持っています。

そういえば、そのワークシートのことで、びっくりしたことがあって。

それは、シートに書き込んだ目標や夢がほとんど叶っていたということ。

書いたら実現するんだなってゆうことを、実感しました。

Q.4人の出産を経て、どうでしたか?

A.生まれたときは本当に嬉しい。でも、母親にしか感じられない痛みがある。

妊娠が発覚したのが、ちょうど10年前の9.11テロの時期で。

当時のことはよく覚えています。

私は当時、報道関係で働いていたので、9.11テロのことを何度も編集し、

何度も見る中で、少しノイローゼぎみになっていましたね。

そんな中、1人目の子供を出産。子供が生まれたときは、本当に嬉しかったですね。

27歳のときに1人、31歳のときに双子、35歳のときに1人を生みました。

そこで思う子供を生むのにベストな年齢は、30代前半まで!

体力的に、全然違う。

1人目を生んだときと比べると、最後の1人の出産は相当苦しかった。

生む直前はまるで、マラソン10キロの最後の500メートルで、

「もう息ができない、苦しい…」ってなっているピーク時に、

めちゃめちゃ激しい生理痛が襲ってくる…そんな痛みが伴います。

(男性はわからないと思いますが…)

でも、痛みが伴う分、その幸せは格別でした。

4人生んでわかったことは、男性は子供を生む経験値を共有していないから、

生んだ女性と同じぐらいの責任と覚悟を男性が持つことは難しいということです。

出産の痛みを分け会えたら最高だけど、そんなことは絶対にできない。

母親しか感じられない激痛。だからこそ、子供への深い深い愛と覚悟が生まれる。

男性にも男性の痛みがあるとは思いますが、子供を生まなければならない、

子供を育てなければならない、家事をこなさなくてはならない、稼がなくてはならないなど、

今の日本は、女性への負荷がだんだんと大きくなっているように感じるんです。

女性が偉いとかそういうわけではないのですが、

もう少しお互いを大切に想い合う社会になったらいいなって思います。

Q.子供が4人いらっしゃいますが、子供に対して思うことはありますか?

A.社会からの疎外感ですら、母親になったら「当たり前」のこと。

子供を産んだときは幸せで満ちあふれていました。

でも次第に、「社会から取り残される」という疎外感、孤独感のようなことを感じるようになりました。

例えば電車に乗っているとき。

ベビーカーの隣に立つ大人が少しも子供にニコっとしてくれない。

むしろ、ベビーカーを邪魔扱いする。

それって、「社会が子供を見守ってくれている」と、感じますか?

私はなかなか感じることができませんでした。

社会全体に、日本の風土に、「子供を愛する」という空気があまりに少ないと思うんです。

先ほどの電車の例のように、「社会から疎外されている」と感じてしまう事象が至る所にあって、

それを感じてしまう母親が多いのではないかと思います。

でも、「母」として、子供を育てることは当たり前。絶対にしないといけないこと。

疎外感を感じようが、孤独感を感じようが、子供を育てるのが親の使命。母親の使命。

「母親になって、社会から切り離されるのって、嫌よね」と語っている方々に伝えたいのは、

今の日本では、「母親になった時点で、社会から疎外されている」ということ。

そしてそれが、「母親になったら当たり前」だと言うこと。

母親になって生まれた「損」ではなく、母親になって生まれた「当たり前」のひとつなんです。

だから母親として生きづらい場面も多々あるかもしれません。

現に、私は生きづらい場面がありました。きっと、制度が整おうが、

保育園の待機児童がゼロになったとしても、子供を見守る、母親を応援する、

そんな風潮を作っていかないと、今の日本の状況は変わらないと思いますね。

Q.4人の親となって、思うことはなんですか?

A.親も子供と一緒に成長するんだなということ。そして、家庭環境の大切さ。

親だから、出来上がった人間か?そうとは限らないと思うんです。

親も子供と一緒に、成長するものだと思うからです。

子供が生まれたときは、親1年生。たくさんの経験の積み重ねの中で、一緒に成長していく。

10年前と10年後だと言っていることも違ってきたりする。

親になると、毎日、文化祭の前夜みたいな忙しさ。

高揚しているし、時間をうまくコントロールしないといけない状態。

そのときは気づきませんが、振り返ってみると、一緒に成長したんだなあと感じます。

あとは、家庭環境って本当に大切だなって思うんです。

学校で受ける教育だけではなく、親のささいな言動や家庭の雰囲気が

知らず知らずのうちに子供に染み込んでいくんですよね。

だから、家庭環境ってめちゃめちゃ大切。

より良い家庭を作ろうと努める家庭が少しでも増えればいいなって思います。

●ボードに何でもいいので書いてください。

働くママを応援したい!!

【参照】

「壱岐もの屋」http://www.ikimonoya.com/

「女性起業家ビジネスプランコンテスト 最優秀賞受賞」http://www.ikimonoya.com/page_info.php/pages_id/40

「平山旅館HP」http://www.iki.co.jp/

「平山旅館女将便り」http://www.iki.co.jp/cat7/

「注目!離島に移った、都会育ちの“デジタル女将”」http://melma.com/backnumber_58196_1475966/

「国際ボランティアNGO NICE」http://www.nice1.gr.jp/

「就職・転職支援スクール 我究館」http://www.gakyukan.net/

著書「デジタル女将修行中」http://p.tl/yFE5

 

 

【インタビュー後記】

平山さんの人生は、母として、妻として、

決して安易な道ではなかったはずです。

でもやはり、そのような険しい道を越えてきた平山さんの実体験の中からしか得た大切な教訓の数々。

将来母となる私たち女性にとっても、将来妻を持つ男性にとっても、

参考となる話ばかりだったのではないでしょうか?

女性として、母として、妻として、たくさんの素顔を持つスーパー若女将。

これからもよろしくお願いしますね★

お忙しい中、ご協力頂き、本当にありがとうございました!!

 

インタビュアー:もりぽ

Q.今の平山さんが大学生にアドバイスすることとしたら?

A.時間を無駄にせず、人間としての倫理をしっかり身につけてほしい!

大学4年間って、本当に貴重ですよね。

社会人に出る前に、この時間をどれだけ有意義に過ごせるかどうかで、

人生変わってくると思います。寝すぎず、無駄に過ごさず、

たっぷり4年間を使い切ってほしいです。

だって、仕事をしながら子育てをする環境の中では、

自分だけにかけられる時間が本当に限られています。

本を読む時間、映画を見る時間が本当にないです。

私の場合、電車に向かう移動中に、歩きながら読むしかない。

海外旅行も、本当に行ける時間がなくなります。

あとは、倫理の教科書とかに出てきそうな「人としての当たり前」を、

ちゃんと学生時代の最後に学んでおいた方がいいと思います。

お茶を1年間出し続ける仕事になったとしても、ちゃんと人生楽しめると思います。

私自身、思うんです。ちゃんと「人として」の部分が出来ていたら、

もっと人生楽しめていたかもって。

Q.平山さんの大切にしている習慣は?

A.早起きです。これは間違いない。

私の親が「朝起き会」というものに参加していて、

私も若い頃から早起きが習慣化していました。

早起きをすると、時間を無駄にしない。

ヒト、カネ、モノをうまく使うことができます。

Q.夢ってなんですか?

A. 女性の自己肯定度を上げられるような仕組みを作りたい。

社会の仕組み上で、このビジネスがあったから、この仕組みができて、

この構造が解決できたってゆうことをなし得たい。

先進国の中で日本が、女性の地位が低いことは、

今の段階では仕方がないことなのかもしれません。

女性の声を社会に届けることも大切だけど、主婦として、女性として、妻として、

生き甲斐を手にしたり、自己肯定度を上げたりするための仕組みは何だろう?って、ずっと考えています。

きっと私にとっての命題は、これなんだろうなと感じます。

主婦であり、女性であり、妻である私が、行動で示していきたいとも思っています。

 

あとは、同世代のパパから「すごいね!ママにはなれないよ」って、言われるようになることも目標です(笑)

Q.読者の方にメッセージをお願いします!

A.自分のことを見つめてほしい。

自分がコミュニティの中で、どんな役割があるのか、

どんな違いがあるのか、見つめてほしいです。

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