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スタディオアフタモード所属の

フォトジャーナリストである安田さん。

実は、わたしと同じ大学4年生のとき、

情熱大陸に出演した経験をお持ちです。

現在は、東南アジアの貧困問題や、

中東の難民問題などを中心に取材を進めています★

2008年7月、日本青年会議所主催青年版国民栄誉賞

「人間力大賞」会頭特別賞を受賞

2009年日本ドキュメンタリー写真ユースコンテスト

大賞受賞などの輝かしい成績を残している

安田さんの人生は、壁を乗り越え続ける日々。

そんな安田さんの素顔と想いに触れました★

人生において大切なエッセンスがいくつもつまっています。

それではインタビュースタートです!!

  No.14

伝えて、残す、フォトジャーナリスト 

[[安田菜津紀さん]]

株式会社アフタモードフォトジャーナリスト

[[安田菜津紀さん]]

 

Q.フォトジャーナリストになろうと思ったきっかけは?

A.高校生のときにカンボジアに行ったことがそもそものきっかけかも。

中学生のときに私は父親と兄を失いました。

そのときに、「家族ってなんだろう」「人と人の絆ってなんだろう」

ものすごく考えていました。

たまたま高校生のときに、「国境なき子どもたち」という団体と出会いました。

小学生~高校生の中から毎年2人、アジアに放り込むというとっても無茶ぶりな企画で(笑)

それに応募して、参加することになりました。

なんとなく路上で生活している子供たちって、

一体どんな風な家族感を持って、どんな人間関係を築いて、生きているのか気になって。

深い理由もそのときはなく、直感的に行こうと決めました。

行き先は「カンボジア」に決定。

でも当時はどこなのかもわからず(笑)

人身売買に遭っていた子供たちに出会って。

子供たちって言っても、当時はほとんど同い年だったかな。

つらい過去を持ちながらも、自分以上に家族をいたわって気遣っている彼らの様子を見ていて、

人として大切なことを教えてもらいました。

愛されるよりも人を愛することこそ、人生を豊かにするんだなって。

それから少しずつ、私は変わっていって。

そんな彼らに何か恩返しをしたいと思いました。

でも当時高校生の私には、何の技術もない。

だから、唯一私の五感に残ったカンボジアを「伝える」しかないと思いました。

だけど、「伝える」にしても、言葉、音楽、映像…たくさんの手段があります。

自分なりの伝える手段はなんだろう?と模索していたところ、

「世界の紛争地」という写真展にたまたま行くことになりました。

そのときに見た写真がとてつもなく印象に残っていて。

やせ細ったガリガリのお母さんの乳に必死で吸い付く赤ちゃんのアンゴラの親子の写真。

環境は劣悪にも関わらず、母の目は強かった。

「絶対子供を守りたい」という強い意志を感じて。

他の写真は一切覚えていないのに、この写真だけは印象深く残っていて。

大学生になったとき、「国境なき子どもたち」の紹介で、渋谷敦志さんに出会いました。

今まで勝手に描いていたフォトジャーナリストのイメージを払拭するような方で。

どんな写真を撮るんだろうと気になって、写真を見せて頂くことになりました

そのときハッとしました。

高校生のときにものすごい衝撃を受けたアンゴラの親子の写真を見つけて。

「これは運命に違いない!写真をやるしかない!」

こんな気持ちでフォトジャーナリストになろうと決めました。

Q.フォトジャーナリストになって変わったことは?

A.まっすぐ現地と向き合えるようになった。

写真ってゆう自分なりのツールを得てから、

よりまっすぐ現地と向き合えるようになりました。

友達に会いたいという動機で現地に行っていたりもするんだけど、

何か役に立っているかもっていう気持ちも持てるようになりました。

Q.写真を見てくれる人に伝えたいこととかってありますか?

A.あります。けど、見る人の受け取り方はしばりたくない。

見る側、受け取る側の見方・受け方をしばりたくないなって、思います。

写真を見る中で、少しでも心の中に何か残ればいいなって。

心に残った何かが種みたいになってその人の心の中で、

全然違うカタチでもいいから、

「何か人の役に立ちたい」ってゆう想いの引き金になればいいなって思います。

本だと、興味がないと手に取って開くことはないですよね。

でも写真って、瞬きひとつでその人の心に飛び込んでいくことができる。

興味がなかった人にも届けられるかもしれない。

Q.安田さんにとって、カメラとは何ですか?

A.伝えるための手段。

私に撮ってカメラは手段。目的ではないです。

写真を撮るために、現地に行くわけではないから。

現地に行って、たくさんの話をして、それを伝えるための手段がカメラですね。

Q.ちなみに、安田さんの行動力はどこから来ているんですか?

A.出会った人に背中を押してもらっているから。

たまたま高校生のときに出会いに恵まれただけ。

自分から切り開いたものはないに等しい。

ほとんどは、出会った人に背中を押してもらったこと。

自分でなし得たものがないなって思ってしまうほどです。

大学の友達に、「calling」という言葉をもらったことがありました。

この言葉は「呼ぶ」という意味もあるけど、「天命」という意味もあるそうなんです。

直感で動く私にとって、この「calling」がまさに私の様々な出会いや経験に

あてはまるかもしれません。

Q.東北の復興活動に携わっていますよね。携わってみて、どうでしたか?

A.私が考えていた「写真の役割」がかなり変わりました。

岩手県陸前高田市で活動をしていました。

「伝えてほしい」ということがあれば撮るけど、積極的に「撮らせてください」という風にはせず、

求めに応じて、カメラのシャッターを切ってきました。

例えば、4月の入学式の写真を7名のカメラマンで6校の入学式を撮影しました。

ベテランのおじさんカメラマンがボロボロ泣いて帰ってきて。

どの入学式も本当に素敵でした

私は気仙小学校の入学式の写真を撮りに行きました。

新入生は2名。校舎は全壊。

避難するために校庭に大人たちが集まってきたところに波が襲ってきました。

子供たちは幸い裏山に逃げていましたが、

目の前で流されていく親や大人たちを足下で見ることしかできなかった。

新入生2人の命は、先生たちにとって本当に宝物。

「その命を磨き続けてほしい」と子供たちに伝えていました。

最後の集合写真を撮っていたあと、ある先生は黙って泣いていました。

「全部諦めていた。入学式も写真も。」「残すための」写真。

ここまで意識したことはありませんでした。

「伝えるための」写真として撮った今までの写真も、

月日が経つと「残すための」写真になるのだということに気づきました。

生きた証が1つでもほしいと言って、家の中に何度も戻る方もいました。

Q.他に、どんな活動を東北でされているんですか?

A.水で濡れてしまった写真の復元をしています。

今、高台の倉庫に、持ち主不明の写真がいっぱいに届いていて。

それを私たちは洗って、復元して…って作業をしています。

私たちが活動をしている陸前高田市は、復元作業が遅れているみたいです。

湿っている写真をそのままにしておくと、

表面の乳剤をバクテリアが食べてしまって、表面の絵がなくなってしまう。

数えきれないほどの写真を分類して、水で重なり合ってしまった写真を1枚1枚はがして

復元するという地道な作業。

「洗浄カメラマン」と呼んで、活動しています。

最初にはがした写真が、新婦さんの嬉しそうな表情をとらえた写真。

持ち主さんが生きているかどうかもわかりませんが、

もしかしたらこの写真を探しているかもしれません。

写真家として少しでも力になれたらいいなと思っています。

●読者の方にメッセージをお願いします。

できる条件を考え、とにかく行動!!

【参照】

ブログ:http://ameblo.jp/nyasuda0330/

オフィシャルサイト:http://yasudanatsuki.com/index.htm

Twitter:http://twitter.com/#!/natsukiyasuda

所属事務所HP:http://www.aftermode.com/

 

 

【インタビュー後記】

安田さんが人生の壁にぶち当たったのは、高校生のとき。

一歩大きく踏み出したのは、大学1年生のとき。

若いうちに経験した多くの苦痛や前進が、

今の安田さんを作り上げているのは間違いない。

自然体で、自分の人生を自分で作っている。

安田さんに出会うまで、写真が人生の大事な一片であることに気づくことができなかったかもしれない。

大切な人との大切な時間を「残す」写真。

想いや現実を「伝える」写真。

安田さんの写真には、たくさんのメッセージがつまっている。

お忙しい中、本当にありがとうございました!!

 

インタビュアー:もりぽ

Q.夢ってなんですか?

A.写真絵本で、親子の共有する時間を作りたい。

写真で、絵本を作りたいなと思っています。

小さい頃に、うちの親が月に300冊読聞かせてくれて。

今でも、絵本ってすばらしいなって感じる。

写真を使って、親子の共有する時間を作れたらいいなって、考えています。

できない理由をあげるんじゃなくて、

できる条件、やりたい理由を先に考えてみる。

そしたら、できる入り口が見えてくる。

考えるのも大事だけど、行動して、行動して、行動していくうちに、

心の選択肢も増えるんです。

選択肢が増えると、同じ迷うでも、迷い方が豊かになります。

だからチャンスがあったら、何でもやってみる!

そして、直感も大切に。成し遂げるために、できる条件で、

環境を整えていけばいいんです。

だって、環境は自分で整えることができるから。

●ボードに何でもいいので書いてください。

いつも心にお陽様を。

  
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